原発即時ゼロ、完全賠償を求める福島県内の住民団体が求めていた東京電力の「現地説明会」が4月30日、同県二本松市で初めて開かれました。
福島県北地方や、いわき市の、原発をなくし完全賠償をさせる会、全国公害被害者総行動実行委員会などの人たち約250人が参加し、県男女共生センターのホールを埋めました。予定していた東電福島復興本社の石崎芳行代表(東電副社長)が欠席し、憤りの声が上がりました。
同社福島本部復興推進室の皆川喜満副室長らは、福島県内の原発10基すべての廃炉について「現時点では未定」と従来の態度を繰り返しました。原発10基廃炉を前提にした福島県復興計画よりも東電の経営を上に置くような回答をし、訂正する場面もありました。
ふくしま復興共同センターの斎藤富春代表委員が「原発事故は人災と認めて廃炉を決めることが最低限の出発点だ」と発言すると、会場からも「これは福島県民の総意だ」との声が上がりました。
賠償問題について、「避難者が仮設住宅でどう生活し、がまんをしているか、よく見てください」「自主避難や除染にかかった費用が賠償されず、2年以上たっても不安やストレスのなかでの生活。精神的慰謝料が認められないのはどうしてか」など意見・質問が相次ぎました。
東電側は国の定めた賠償基準である「中間指針」(追補)をふまえた対応とのべるだけで独自の基準を示さず、賠償請求の時効消滅については、その有無を答えませんでした。