米軍機が原子力施設上空を無法に飛行し、政府が2007年以降で7件把握していたことが、19日の衆院経済産業委員会でわかりました。日本共産党の塩川鉄也議員の質問に防衛省が明らかにしました。原子力施設上空を「安全かつ実際的な形で回避」するとした1999年の日米合意無視の飛行実態を示すものです。
7件(表)のうち6件は原発などの事業者からの苦情として防衛省が受け付け、残り1件は「飛行確認連絡票」として原子力規制庁に提出されたもの。苦情内容には「戦闘機が上空を飛行したことがなく、職員一同大変驚いている」(東通原発)など、きわめて異例な事態であることが記されています。また、塩川氏の質問によって米軍側が7件すべてについて「当該地域にいた。遺憾です」などと施設上空の飛行を認めていることが確認されました。
塩川氏は、88年6月には伊方原発からわずか800メートルの地点に米海兵隊ヘリが墜落する事故があり、敷地内に落ちていれば大惨事になっていたと指摘。原発立地道県から施設上空の飛行を禁止するための法制化の要望があがっていることをあげ、「施設上空の飛行が繰り返されていることは重大であり、ただちに禁止すべきだ」と求めました。