東日本大震災から、2年4カ月の11日。陸前高田市では行方不明者の捜索が行われ、宮古市の仮設住宅に集められた被災写真が持ち主を探しています。時は過ぎても、募る思い、胸の内にある悲しみは消えません。
福島原発はいまも事故の渦中です。地下水の放射性物質の濃度が上がり、汚染水が海にひろがっている可能性も指摘されています。放射能がまき散らされる恐怖や不安、故郷を追われた悔しさや怒り。終わりのみえない日々がつづきます。
それなのに安倍政権は再稼働に走りはじめ、地球を汚し、人類とは相いれない原発を世界に売りこもうとしています。事故や傷つけた人々をおきざりにして。いったい、これだけの大惨事から何をくみとっているのか。
「不思議なことです/責任感や痛みを感じている様子が/まったく伝わってこないのです/ひとごとのように思っていて/情報も、除染も、命を守るのも/『それぞれご自分でどうぞ』/と言っているようなのです」。
二本松市に住む、あらおしゅんすけさんの詩集『安達太良(あだたら)のあおい空』の一編です。あらおさんは、3・11後に学び、行動し、発信してきた一人。書きとめてきた数々の詩からは、深いいたみや憤り、次の世代への思いが伝わってきます。
「返してください/我々の山河を/返してください/穏やかだったころの生活を/返してください/子供たちに渡すはずだったふるさとを」。今度の選挙では、真実を見つめ、未来を見すえて投票してほしいと願っています。