東京電力福島第1原発で放射能汚染水が増え続けている問題に関し、原子力規制委員会の田中俊一委員長は7月24日の定例会見で、「(放射性物質の)濃度が十分低いものは捨てられるようにしないと、にっちもさっちも行かなくなる」と述べ、海洋放出も視野に入れる必要があるとの認識を示しました。
田中委員長は第1原発の敷地内を「水だらけ」と表現。「きちっと処理して、排水レベル(基準値)以下になったものは排出することは避けられないというのが、私の率直な気持ち」と述べました。
東電が汚染水から放射性物質を除去するとして進めている「多核種除去設備(アルプス)」にかかわる発言ですが、アルプスで処理してもトリチウム(3重水素)は取り除けません。
漁業関係をはじめ地元は、建屋の手前でくみ上げた地下水の海洋放出さえ、認めていません。田中委員長の発言は、これらの声を無視し、東電が狙う汚染水の海洋放出に道を開きかねないものです。