「我々が最も懸念していた事態」「全国の漁業者・国民に対する裏切り行為であり、極めて遺憾」―。東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海に流出していた問題で、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)などは7月25日、東電に対して「厳重抗議」しました。
JF全漁連の岸宏会長は、JF福島漁連、同みやぎ、同茨城漁連の各代表らとともに同日、東電本社で広瀬直己社長と会い、抗議文を手渡しました。
抗議文は「原発事故発生以来、汚染水の海への漏出を絶対に起こさないよう、再三再四強く求めてきた」ことを強調。「操業の再開を心待ちにしている地元漁業者の失望感は計り知れない」「全国の漁業者を苦しめている風評被害のさらなる広がりが懸念される」と強い怒りを表明し、東電に汚染水処理の収束に向けた道筋を明確に示し、流出防止対策の早急かつ完全な実施、海域モニタリングの徹底・強化を求めています。
岸会長は広瀬社長と面会後、記者団に対し「漏えいが判明し、怒りと不信感が増幅している」と東電を批判。広瀬社長も記者団に「本当におわびのしようがない」と述べ、「とにかくこれ以上心配をかけないよう対策を徹底したい」と強調しました。
公表2日前に掌握・・東電が謝罪
東京電力福島第1原発敷地の汚染水が海に流出している問題で、東電福島復興本社の石崎芳行代表は7月25日、公表の2日前に把握していたと明かし、「遅れがあり、申し訳ない」と謝罪しました。石崎代表によると、今月20日に見た社内の情報共有メールで、流出に触れる内容が善かれていたといいます。発表は22日午後でした。
東電は今年3月にも、小動物による一時的な大規模停電で公表遅れが批判されました。このため、4月に情報開示の在り方を監視する部署を作り、改善に取り組むとしていました。