日本共産党の小池晃副委員長は8月19日、使用済み核燃料を全量再処理・再利用する「核燃料サイクル」は必要かを主題にしたインターネット番組「ここがヘンだよエネルギー政策」に出演し、「『(高速増殖炉)もんじゅで夢のエネルギー』という神話は崩壊した。再処理の道とは決別するべきだ」と語りました。
小池氏は、「高速増殖炉もんじゅが『できる』と思っている人など政府のなかにもいないのではないか。六ケ所村(の再処理工場)も失敗続き。『サイクル』といっても最終的に核のゴミは出て、いまだに処理の方法も決まっていない。『サイクル』でないのに、無理やり『サイクル』を描こうとしているのが根本的な問題だ」と指摘しました。
司会の石川和男氏(政策研究大学院大学客員教授)が化石燃料費の増加などコストの観点から「核燃料サイクル」断念に疑問を呈したのに対し、小池氏は「(原発を)動かせば動かすだけ使用済み核燃料は出てくる。原発をただちにゼロにして、いままで出た使用済み核燃料を直接処分するのが、一番コストがかからない」と語りました。
その上で、「(核燃サイクルの)破綻はあきらかだ。原発をとめ、危険なプルトニウムを取り出す再処理もやめる。それがいまの事態を解決する一番の道だ」と強調しました。
出演した自民党の河野太郎衆院議員も「(核燃サイクルは)コストの前に、現実的にできるのかが大きなテーマだ。再処理はギブアップ(放棄)するのが正しいあり方だ」と述べました。
原発関連産業の内部留保は80兆円 いまこそ社会的に還元して、廃炉のために使うべき
番組ではまた、司会の石川氏が原発をやめると「お金がもったいない」と述べたのに対して、小池氏は「一番大事なのは命だ。電力会社も原子炉メーカーもこれまで原発でさんざん利益を上げてきた。原発関連産業の内部留保は80兆円ある。いまこそ社会的に還元して、廃炉のために(使うべきだ)」と指摘しました。
番組中に行われた視聴者アンケートでは、核燃料サイクルに「反対」する人は開始時の61・1%から、終了時には70・5%にまであがりました。