東北電力東通原発(青森県東通村)敷地内の破砕帯(断層)が活断層と指摘されている問題で、原子力規制委員会の専門家チームは4日、2日間の現地調査を終えました。
会見で規制委の島崎邦彦委員長代理は、専門家チームが2月に活断層の可能性が高いという見解を示している点について、「多少の修正はあるかもしれないが、基本線は変わらない」と答えました。
また、「できれば、もう一段違う所で見たい」と述べ、トレンチ(溝)の掘削工事が進んだ段階で再調査する意向も示しました。
専門家チームは2日間で、敷地内に掘削した5カ所のトレンチを中心に調査し、ボーリング調査の試料観察なども行いました。
島崎氏は、敷地内の浅い地層で見られる地層のずれが、いくつかのトレンチで見つかったとし、他の場所でも見つかる可能性があるとしながら「(活断層評価の)基本線は変わらない」と強調しました。
専門家チームの報告書案は、敷地内を南北に走り原子炉建屋に250メートルまで迫る「F―9」破砕帯と、同じく450メートルに位置する「F―3」破砕帯が、活断層の可能性が高いとする見解を示しています。また、原子炉建屋など重要施設下にある2本の破砕帯(f―1、f―2)が、活断層かどうかの判断は出ていません。
一方、東北電力は、活断層の存在を否定するコメントを改めて発表しました。
専門家チームは今回の現地調査の結果について会合を開いて、議論する予定。活断層とする評価が確定すれば、同原発の再稼働は困難になります。