官邸前抗議行動・・汚染水対策、いますぐ
「原発ゼロ」を求める首都圏反原発連合(反原連)は9月6日、70回目の首相官邸前抗議行動を行い、「海を汚すな」「再稼働反対」と訴えました。福島第1原発で放射能汚染水が海洋に流出し続けていても原発の再稼働を推進する安倍晋三内閣に、抗議の声をあげました。
この日の参加者は、2900人(主催者発表)。「汚染水放出 断固阻止」「再稼働やめろ」と書いた横断幕やプラカードなどが官邸前に揺れました。反原連のミサオ・レッドウルフさんが「緊急に汚染水対策に全力を尽くしてほしい」「原発を絶対に1基たりとも動かすな」と訴えると、「そうだ」の声があがりました。
友人を誘って参加した東京都多摩市の光本あかねさん(33)は「汚染水は怖い。海や魚は日本だけのものじゃない。水が汚れてしまうのは致命的。再稼働なんてしないで、原発は今すぐやめるべきです」といいます。
同大田区から参加した高橋延幸さん(70)は「このまま汚染水を流し続けたら国際社会から相手にされなくなる。汚染水タンクの管理すらできないのに、原発を運転できるはずがない」。
日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子参院議員が参加し、スピーチしました。
金曜行動 各地で
東京電力福島第1原発事故からまもなく2年半となる6日、全国各地で官邸前行動に呼応した「原発なくせ」「再稼働反対」の行動が取り組まれました。参加者からは同原発で相次ぐ汚染水漏れに怒りの声が聞かれました。
愛知・・もてあそぶマネやめてほしい
名古屋市では、関電東海支社前に集まった人たちが「即刻廃炉だ、世界がみてるぞ!」と訴えました。両腕を振り回して抗議していた男性(66)は「地中に壁をつくるとか汚染水対策を言い出すようになったけど、オリンピック招致のためではないのか。2年以上もほったらかしにしておいて、『東京は心配ないですよ』は通用しないでしょう。被災地をもてあそぶようなマネはやめてほしい」と語りました。
秋田・・国民の英知を集めて対処
秋田県の「さよなら原発県民アクション」は秋田市中通の仲小路などをデモ行進しました。37人が参加。
「4カ月ぶり」に参加した男性は、「汚染水を海に流せば汚染を広げるだけだ。国民の英知を集めて対処しなければいけない。まさに非常事態だ」と話しました。
大館市でも「原発ゼロを求める金曜日大館行動」が行われ、参加者は「汚染水流すな、汚染水とめろ」とラップ調で訴えました。
兵庫・・初めての参加「行動さらに」
神戸市中央区の関西電力神戸支店前の行動では、参加者が「再稼働反対」「海に流すな」とコール。千葉県流山市から神戸市灘区に自主避難してきた男性(30)は「どういう感じか知りたくて初めて来ました。汚染水は国際的な問題で福島だけの問題ではない。多くの人が関心を持って行動してほしい。それと、向こうには避難できない人がたくさんいます。避難できるようにしてほしい」と話していました。
岡山 ・・「国会はすぐ動いてほしい」
岡山市では原発ゼロをめざすイレブンアクション岡山実行委員会が、中国電力岡山支社周辺で55回目のデモ行進をおこないました。34人が参加。
「福島第1原発の汚染水は、もっと早く、どうにかできなかったのでしょうか」と参加者に語りかけてきたのは女性(78)。「福島の人は生きた心地がしないと思います。国会は何をしているのでしょうか。閉会中であっても審査をして、すぐに動いてほしい。こんな事故が二度と起こらないように、何とかして原発の再稼働をやめてほしい」。
長崎 ・・「無責任さが恥ずかしい」
長崎市では原発ゼロをめざす長崎連絡会の呼びかけで「ながさき『あじさい行動』」が長崎市役所周辺であり、40人が参加。
「無責任の一言に尽きる」と原発事故のずさんな対応に憤る男性(67)は「汚染水が海に流出していたことを発表したのは参院選投票日の翌日。隠していたとしか思えない。被爆国・日本なのに、このずさんさ。国際社会に対する無責任さが恥ずかしい」と語りました。