東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海へ流出している問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は9月11日の定例会見で、安倍首相が国際オリンピック委員会総会で「状況はコントロールされている」「影響は港湾内の範囲内で完全にブロックされている」などと発言したことについて、「心配しなければいけないような状況でないことは、私もそう思っている」と述べました。
田中委員長は「環境に有意な影響があるような汚染はまだ生じていないということで、ブロックされているとおっしゃったと思う」「コントロールされているかどうかは考え方。100%コントロールということでなければコントロールではないと思っているかもしれないが、世の中それほどコントロールできることはない」などと無責任な発言を繰り返しました。
さらに田中委員長は「言葉の端々をあげつらっても何の意味もない。福島県の漁民も周りの人も余計、不安になって復興、復旧の意欲がそがれてしまう。私はそっちのほうが心配」などと、メディアが不安をあおっていると批判しました。
一方で、「もっと前向きに捉えてほしい、後ろ向きに議論していたって今の事態は乗りきれない」と、福島第1原発について楽観できないとの考えをにじませました。