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解説 原発 テロ対策施設期限延期/事業者都合で規制後退

規制委は、今回の設置期限延期の理由について、これまでに特重施設を設置した炉のほとんどが期限内に設置が完了していないという実績を考慮した「規制の継続的改善」と主張しています。しかし、今回の議論は、設置期限をこれまでより3年延長してほしいという事業者からの要請がきっかけ。安全よりも事業者の都合を優先させる「規制の後退だ」との批判が出るのは当然です。

 特重施設の設置期限は、2015年に当初の期限18年7月までにほとんどの施設で設置が間に合わないとして1度延長されており、今回も事業者の都合に合わせた延長です。東京電力福島第1原発事故は、当時の規制当局が津波評価の提出の延長をずるずると認めて、対策がなされないまま大津波に見舞われて起きました。事業者都合に合わせて規制を緩めれば、規制の意味が失われます。

 規制委はまた、特重施設は「信頼性向上のためのバックアップ施設」であり、未整備でもリスクに極端な変化はないと主張しています。福島第1原発事故前に、「日本の原発は安全だ」と根拠無く繰り返されてきた「安全神話」の焼き直しです。

 テロ対策の義務付けは、いまだに数万人の人々が故郷に帰れていない福島原発事故の教訓でもあります。福島原発事故は津波対策と同時に過酷事故対策、テロ対策の不備も原因の一つとされています。

 政府が原子力回帰を強める中、規制機関が事業者に忖度(そんたく)し、自ら安全神話を振りまき、規制緩和を推進すれば、到底国民の安全は守られません。(松沼環)

(「しんぶん赤旗」2026年8月27日より転載)