
東京電力福島第1原発事故の被災者約2000人が国と東電に原状回復と損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)第2陣の口頭弁論が3日、福島地裁(小川理佳裁判長)で行われ、福島県南相馬市に住んでいた2人が陳述しました。
同市原町区の男性(73歳)は妻と、孫を含む長男家族の6人で暮らしていました。事故後、家族ばらばらの避難生活を余儀なくされ、孫がストレスから拒食症になり入院。男性は陳述で、声を詰まらせながら「当たり前の家族での生活が奪われた。離れ離れの生活は苦しい」と訴えました。
同市小高区で生まれ育ち家族で自営業を営んでいた男性(60代)は「小高は『お茶飲んでけー』という人付き合いがあった」と話しました。事故でつながりを奪われたとして「大好きな小高をそのままにして返してほしい」と訴えました。
雪が舞う中で行われた集会では、国の責任を不問に付した最高裁判決(2022年6月17日)を正す高裁・地裁判決と新たな最高裁判決を求める署名の協力が呼びかけられました。
結審は8月26日の見込みで、次回は4月22日の予定です。
(「しんぶん赤旗」2025年3月6日より転載)