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国と九州電力を相手に地元住民などが川内原発1・2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転差し止めを求める「原発なくそう!九州川内訴訟」で、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)は21日、原告の請求を退ける判決を出しました。判決後、原告、弁護団、支援者は地裁前で「不当判決」「私達は屈しない」の幕を掲げました。
地震や火山噴火、避難計画の実効性などが主な争点。判決は原発の安全性について「社会通念を基準として判断すべきもの」と指摘。原子力規制委員会が基準に適合すると判断した原発は安全性が備わっていると「一応推認するのが相当である」としています。地震、火山などについて「具体的危険性は認められない」「避難計画等の実効性の有無にかかわらず、原告らの人格権が侵害される具体的危険性があるとはいえない」としました。
判決後の報告集会で、原告団長の森永明子さん=薩摩川内市=は「大変なことが起きる前に止める決断を国でも司法でもしないといけない。福島の原発事故の現実から目をそらさないでほしい」と語りました。
弁護団の森雅美共同代表は「判決は原告が危険だということを立証しない限り安全だとしている。断じて許容できない」と控訴する方針を示しました。
川内原発1号機は昨年7月、運転開始から40年を迎え、運転延長期間に入りました。2号機も今年11月に40年になります。
(「しんぶん赤旗」2025年2月23日より転載)