原発の差し止め訴訟を手掛ける弁護団らでつくる脱原発弁護団全国連絡会は17日、原子力規制委員会が先月の新委員の選任によって「中立・公平な立場で、独立して職務を遂行するとは到底期待できないような構成となった」として強く抗議し、欠格要件を定めた規制委設置法の改正を求める声明を発表しました。同日、オンラインで会見しました。
5人の規制委員のうち2人が9月18日、任期満了で退任。同19日、カナダ・マクマスター大学元教授の長崎晋也氏と地震予知連絡会会長の山岡耕春氏が新たに任命されました。
同連絡会によると、長崎氏は四国電力の元従業員。原発事業者の元従業員が委員となるのは初めてといいます。山岡氏は、2011年の東日本太平洋沖地震直後に政府の地震調査委員会の事務局を担当。調査委員らの意見を抑えて、同地震が「想定外であった」との見解公表を主導したことが、元規制委員の島崎邦彦氏の著書で明らかになっています。
同連絡会は、このような委員会の下で「国民の安全確保を旨とした審査がなされるとは到底考え難い」と指摘し、委員選任の再考を求めています。
また、国会に対し、委員会の構成人数や委員の欠格要件を定める規制委設置法の改正を求めています。
会見した同連絡会共同代表の河合弘之弁護士は、委員に選任された2人について「委員として不適切。選任の仕方自体がおかしい」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2024年10月18日より転載)