経団連は19日、長野県軽井沢町で開いた夏季フォーラムで、原発の再稼働や新増設・建て替え、道州制の検討を求める総括文書をまとめました。会合には岸田文雄首相も出席。十倉雅和会長が総括文書を手渡し、閉幕しました。
岸田氏は講演で、2024年春闘について「極めて力強いものとなった」と評価。その上で「新たな経済ステージへの移行の兆しが見えており、絶対に後戻りさせない」と強調しました。
十倉氏は記者会見し、「電力の安定基盤がなければ(事業の)予見性の議論すらできない。原発の再稼働は急がなければならない」と語りました。
総括文書は、40年の日本では原発などの「脱炭素電源」を活用し、「安価で安定的なエネルギーや資源の供給、経済安全保障の確保」を目指すべきだと指摘。特に原子力については「具体的な方針の明確化は喫緊の課題だ」と明記しました。
また、人口減少下での地域経済の持続的発展に向け、道州制導入や合併を含む地方自治体の見直しの必要性に言及。人工知能(AI)などの普及を進めるため、産業全体を俯瞰(ふかん)した長期的戦略の策定や、大胆で継続的な投資を要望しました。
(時事)
(「しんぶん赤旗」2024年7月23日より転載)