原子力規制委員会は26日、運転開始から30年を超えた関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、昨年5月に成立した「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」に基づく「長期施設管理計画」を認可しました。同法が本格施行される2025年6月6日以降、運転開始40年となる3号機は31年12月、4号機は33年2月までの運転が可能となりました。同法に基づく認可は初めてです。
GX電源法では、原則40年、最長60年だった原発の運転期間の定めが原子炉等規制法から削除され、電気事業法に移管された上で審査などによる停止期間を運転期間から除外することで実質的に60年を超える運転が可能になりました。
規制委は、この改悪に合わせて、原発を運転開始から30年以降も運転する場合に10年ごとに、事業者が劣化管理のための計画を策定し、規制委の認可を得る制度を導入しました。
規制委はこの日の定例会合で、関電が策定した30年超の劣化状況を検査するための追加項目などについて、審査要件に適合していると判断しました。
これまでに再稼働された原発のほとんどが運転開始から30年を超えています。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)も新制度での認可を申請しており、今後、他の原発でも来年の本格施行までに新制度に基づく申請、審査が行われる見通しです。
(「しんぶん赤旗」2024年6月27日より転載)