自民党は17日、東京都内のホテルで定期党大会を開きました。党総裁の岸田文雄首相は演説で、自民党派閥による政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件について、「国民に心からおわびする」と陳謝。自ら本部長を務める政治刷新本部での議論の「成果の第一歩」として、党則、党規律規約、党運営の指針のガバナンスコードの「改正」を報告した一方、説明責任を果たすよう「関係議員に促す」と述べただけで、早くも事件の幕引きを図る姿勢を見せました。
岸田首相は「先日、幹事長に対し、関係者に対する党としての処分について結論を得るよう指示した」と発言。政治資金規正法について、企業・団体献金の禁止には触れず、「今国会での法改正を実現していく」と述べましたが、議員の処分や同法改正は、事件の真相解明なくしては成し得ない課題です。
国民の深刻な不信をよそに、岸田首相は、2021年の総裁選で掲げた「経済、外交、日本の未来に向けたお約束」として、「軍事力の強化」、「グリーン政策の推進」、「経済安全保障の強化」などを強調。国民が物価高に苦しむなか、5年間で43兆円の軍拡を“成果”として誇りました。
「グリーン政策」では、脱炭素をうたいながら「原子力もしっかり活用」と原発依存を表明。「経済安全保障」では、国民の権利を大きく侵害する懸念があるセキュリティークリアランス制度の今国会での創設に意欲を示し、「具体的な運用を開始していく」と述べました。
岸田首相は「憲法改正」について、「総裁任期中に実現するとの思いのもと、今年は条文案の具体化を進める」と発言。党大会は「憲法改正原案を作成し、国会の発議を経て、国民投票における過半数の賛成に向け全力を傾注する」とした24年の運動方針を採択しました。
(「しんぶん赤旗」2024年3月19日より転載)