『東日本大震災100の教訓 復興検証編』の出版を記念した研究交流集会が、11日から仙台市の東北大学片平キャンパスで始まりました(12日まで)。みやぎ震災復興研究センターと、東北大学大学院経済学研究科・震災復興研究センターの共催です。
みやぎ震災復興研究センターの千葉昭彦代表があいさつ。株式会社深松組の深松努社長が記念講演で東日本大震災のがれき撤去事業での経験や苦労を語り、長谷川公一尚絅(しょうけい)学院大学特任教授と鈴木浩福島大学名誉教授が基調講演しました。
今集会のメインテーマでもある「検証なしに復興をフェードアウトさせてはならない」を題に講演した長谷川氏は、「災害はいつ、どこで起きてもおかしくない」と、ワンストップで災害対応できる省庁や災害救助隊の設置、復興まちづくりの基本になった高台移転や現地再建の検証の必要性について強調。「個人に寄り添った再建を考えるべきだ」と語りました。
鈴木氏は、いまだ原発事故は収束していないと指摘。県民が復興の主体になるために作成した「県民版原発災害からの復興ビジョン」について語りました。
12日は、取り残される被災者や復興まちづくりについて考える二つのパネルディスカッションが、午前10時から開かれます。
(「しんぶん赤旗」2024年2月12日より転載)