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いわき市民訴訟 「審理公平に」署名4000団体超・・原発避難者 最高裁に要請

報告集会であいさつする伊東原告団長=17日、衆院第2議員会館

 東京電力福島第1原発事故で国の責任を求めて最高裁に上告している、いわき市民訴訟原告団らは17日、公平な審理を求めて1696団体分の署名を最高裁に提出しました。先月提出分と合わせ、4000団体を超えました。同様の集団訴訟に対し昨年6月、最高裁が出した国の責任を認めない判決を覆すため、原告団らは毎月1回、要請行動を行っています。

 要請後に国会内で開かれた報告集会で伊東達也原告団長は、いわき市が7月に発表した避難者数を紹介しました。「住民票を異動せず市外に避難している人」が370人、「避難指示された12市町村から住民票を異動せず同市内に避難している人」が1万7193人にも上るとし、「みんな帰りたい人ばかりだ」と強調。震災から12年半たっても故郷に帰れない実態に、最高裁は国の責任を認め、原発被害者の思いに向き合うよう訴えました。

 全国の原発避難者訴訟の原告や支援者らも出席し、発言。京都訴訟の福島敦子原告団共同代表は、福島県南相馬市から娘2人を連れて避難しました。約160人の原告のうち半数以上がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがあり、原告の子どもたち(当時)約60人の7割が、いじめなどで心に傷を負ったと語りました。要請では、判決を出すにあたり人権に対し「『われわれの“命”と裁判官の“命”で向き合ってほしい』と訴えた」と報告しました。

 今後、国の責任を求める同様の集団訴訟のうち名古屋や千葉、東京などの訴訟で高裁判決が予定されています。

(「しんぶん赤旗」2023年10月18日より転載)