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約束反故 政府あまりに横暴・・汚染水海洋放出 各紙が批判

 岸田文雄首相は、東京電力福島第1原発事故で発生した汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を24日に開始すると表明しました。全国紙や地方紙は23日付で、漁業者など関係者との約束を反故(ほご)にする政府の決定を批判する社説を相次いで掲載しました。

 「毎日」は、「誠意欠いた政治の無責任」と題し、「(政府は)『関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない』と約束しながら、誠意ある対応を尽くしたとは言いがたい」と指摘。「福島の人たちの思いに寄り添う場面はほとんど見られなかった。むしろ、放出の決定を巡り、漁業関係者に『踏み絵』を迫るような構図が続いてきた」と厳しく批判しました。

 「東京」は、「(放出は)順調に進んでも三十年に及ぶ大事業。誰が、どう責任を取り続けるというのだろうか」として、「これほどの難題を抱えつつ、あたかも別問題であるかのように、政府が『原発復権』に舵(かじ)を切るのも全く筋が通らない」と指摘しました。

 北海道新聞は、「国民の理解を得ないまま重要政策を進める政府の姿勢はあまりに乱暴だ」と批判。福井新聞は、「不祥事まみれの東電に、数十年に及ぶ海洋放出を担えるのかという疑念もつきない」と懸念を示しました。

 琉球新報は、「理解が得られない中での放出開始は認められない。方針を撤回すべきだ」と主張しました。

(「しんぶん赤旗」2023年8月24日より転載)