東京電力福島第１原発から出る汚染水（アルプス処理水）を早ければ２４日から海洋放出開始すると岸田政権が決定した２２日、福島県では「決定を撤回せよ」「県漁連との約束を守れ」と怒りや抗議の声が上がりました。

　西村康稔経産相が訪れた福島県庁の正面入り口には、海洋放出の「決定撤回を」などのプラスターや横断幕を掲げた人たちがずらりと並びました。

　「関係閣僚会議での決定に強く抗議するとともに、その撤回を求める」と力を込めたのは、ふくしま復興共同センターの野木茂雄代表委員。「『関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない』という約束を破ることは許されません。福島県民・国民合意がない下で海洋放出を強行すれば、これまでの１２年間の復興の努力が台無しになる。海洋放出ではない解決策があると専門家の提案もあります。これらを十分検討しないまま決定したことは許されません」と訴えました。

　農民の代表は「海洋放出で新たな被害を招き、福島の復興の障害になるのは明らか。農家も漁師も、賠償金を出すから納得しろという問答無用の対応は容認できない」と怒りをぶつけました。

　行動には日本共産党の岩渕友参院議員も参加し激励。町田和史県委員長や県議団も参加しました。

（「しんぶん赤旗」2023年8月23日より転載）