関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転禁止仮処分申し立てに対する第2回審尋が3日、福井地裁(加藤靖裁判長)で行われました。全国の原発で唯一運転開始から40年を超えて稼働している同原発に対し、県内の住民10人が1月に申し立てました。
争点は耐震性など地震や避難計画の問題で、住民側は、原発敷地に震源断層が極めて近い場合に求められる「特別の考慮」がされていないと主張しています。特に今回は、問題となる断層について、強い揺れを発生する深さ3キロ以深の「深部断層」だけでなく、これより浅い「浅部断層」が発生するエネルギーも考慮すべきなのに軽視されていると指摘する研究者の意見書を提出しました。
これについて、弁護団の井戸謙一弁護士は報告集会で、「考慮する必要がないというのが関電の主張だ」と述べるとともに、今回の意見書で初めて「なぜ考慮する必要があるのかという議論に入った」と意義を強調しました。
次回は9月22日です。11月7日には、双方が裁判所に対して主張を説明することになりました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月5日より転載)