原発の60年超の運転延長など岸田政権の原発推進等5法案が参院本会議で成立した31日、全労連、新日本婦人の会、全日本民医連などでつくる原発をなくす全国連絡会は、法案強行に抗議し、再稼働など原発回帰を許さない運動を広げようと院内集会を衆院第2議員会館で開きました。
原発運転期間の延長の撤回、新増設、建て替えの中止などを求める4万4035人の請願署名を提出しました。
ふくしま復興共同センターの野木茂雄代表委員が「福島県民を踏みにじる法案強行に強く抗議する」と表明。政府が夏までの実施を狙う、原発事故で発生した放射能汚染水の海洋放出に反対する宣伝・対話の取り組みを紹介し、支援を呼びかけました。
農民連の渡邊信嗣青年部事務局長、新日本婦人の会の河村玲子中央常任委員、原発ゼロの会・大阪の庄司修事務局長が各分野でのたたかいを報告しました。
福島大学の林薫平准教授が講演。海洋放出や原発廃炉は「開かれた形で当事者の協議によって進めるべきだ。福島県民だけでなく、国民全員が原発の賛否などの立場を超えて、主体となって関わる必要がある」と強調しました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、岩渕友参院議員、立憲民主党の議員があいさつしました。
安全より経営優先か・・いわき市民訴訟原告団長 伊東達也さん
今回の改定は、福島の現実を全く顧みないもので、問題だらけです。
原子力基本法で原子力の活用を国の責務としました。たとえ不採算になっても原発を続けるという原発優遇政策が今後、推し進められるのではないのか。
そして60年を超えて運転できるとして、安全よりも経営優先を明確にしています。
さらに改定のもとになった基本方針で廃炉決定した原発の敷地内に次世代革新炉を建設するとしており、未来にわたって原発に頼ることへの宣言になります。
進めるとしている核燃料サイクルは既に破綻しています。それをやるというのは、国民の財政負担を増やすし、核兵器につながる技術を持ち続けることに他なりません。
これらの中身は、内閣府の原子力委員会に日本原子力産業協会と三菱重工業が昨年提出した意見書にあったものです。岸田内閣が、原子力村の要求を丸のみしたということです。何としても原発「最大限活用」をやめさせなければなりません。
(「しんぶん赤旗」2023年6月1日より転載)