日本共産党の岩渕友議員は30日の参院経済産業・内閣両委員会の連合審査で、原発推進等5法案のうち原子力基本法改定案について、経済産業省資源エネルギー庁の介入疑惑を追及しました。
岩渕氏は、所管閣僚の高市早苗科学技術政策担当相の出席を求めてきたが実現していなかったと批判し、「連合審査で高市氏が出席したのは当然だ」と強調。高市氏は本法案の基となったGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議での議論に参加しておらず、「いつ基本法の改定を知ったのか」とただしました。
高市氏は「全体像を知ったのは今年2月2日」と初答弁。所管閣僚が法案提出の直前まで知らなかったという驚くべき事実が明らかになりました。
岩渕氏は、エネ庁は昨年7月28日の段階で基本法改定案に近い案を示しており、高市氏への説明でもエネ庁作成の資料が使われたと指摘。法改定に向けエネ庁と面談した内閣府の担当者が経産省に籍を置く「出向者」だったことも明らかになったとし、「経産省が主導して原発回帰の流れを進めているのではないか」と迫りました。
高市氏は「そのつど私の考えを申し上げてきた」と述べるにとどまりました。岩渕氏は「法改定の経緯は明らかではない。“なぜ原発だけ特別扱いなのか”と批判の声があり、改悪は認められない」と厳しく批判しました。
(「しんぶん赤旗」2023年5月31日より転載)