東京電力福島第1原発事故で炉心溶融した1号機で原子炉圧力容器を支える土台の内側が損傷している問題で、原子力規制委員会は24日、格納容器に開口部が生じた場合の敷地外への影響評価や対策の検討を東電に求めることにしました。
土台は鉄筋コンクリート製で、外径7・4メートル、内径5メートルの円筒形。これまでの調査で、内壁のコンクリートが全周にわたって失われ鉄筋がむき出しになっている様子が確認されています。
東電は、詳しい耐震評価を実施するとしています。しかし、規制委の事務局である原子力規制庁は評価の前提条件の妥当性を判断することは困難だと指摘。圧力容器などの構造物が沈下し格納容器に開口部が生じた場合の敷地境界での影響やその際の対策を、優先して検討するよう東電に求めることにしました。
土台の支持機能が期待できない場合の格納容器などへの構造上の影響についても求めることにしました。
山中伸介委員長は、会見で「周辺の環境や住民のみなさんに影響があるかもしれないことについては、早急に評価するのが東電の責務だろう」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年5月25日より転載)