原発の再稼働に向けた地元手続きが昨年完了した中国電力島根原発2号機(松江市)について、島根、鳥取両県に住む4人が10日、運転差し止めを求める仮処分を広島高裁松江支部に申し立てました。中国電は安全対策工事を進めており、来年度の完了を予定しています。
住民側は、地震や火山噴火など自然災害のリスクが考慮されておらず、避難計画に実効性がないなどと主張しています。申立人の芦原康江さんは提訴後の記者会見で、「(再稼働を)拒否する権利が私たち住民にはある。福島のような事態をこの町で繰り返したくない」と訴えました。
島根原発は全国で唯一県庁所在市に立地。1989年に運転を開始した2号機は、東京電力福島第1原発と同型の沸騰水型軽水炉(BWR)で、原子力規制委員会の審査に合格し、島根県の丸山達也知事が昨年6月、再稼働への同意を表明していました。
住民側が起こした運転差し止め訴訟では、松江地裁が10年に請求を棄却。高裁松江支部で審理が続いています。(時事)
(「しんぶん赤旗」2023年3月11日より転載)