みどり　政府が、ＧＸ（グリーントランスフォーメーション）関連法案を閣議決定したね。

　はるか　原発の運転期間の延長を可能にする法案があるでしょう。

　みどり　電気事業法や原子力基本法など五つの法案を一本化した「束ね法案」だよ。原子力規制委員会が所管する原子炉等規制法から「原則４０年、最長６０年」という原発の運転期間の定めをなくし、経済産業省の所管する電気事業法に移す。

　はるか　審査などによる長期停止期間を運転期間から除外し、６０年を超える運転を可能にするそうじゃない。

　みどり　そういえば原子炉等規制法の改定をめぐっては、規制委の５人の委員のうち１人が反対して多数決で決めたね。反対した委員は「安全側の変更ではない」って批判したよ。

安全ないがしろ

　はるか　そもそも６０年を超えて運転する場合の劣化の評価方法など規制の中身も決まっていない。運転期間延長の法整備だけを急ぐなんて、安全ないがしろだね。

　みどり　原子力基本法の改定案では、原発による電力の安定供給が「国の責務」ですって。原発推進、原発過保護策をますます強めるつもりだ。

　はるか　原発がエネルギー安全保障や気候変動対策に不可欠だと、政府は主張している。

　みどり　うそだよ。燃料のウランは海外から輸入しているし、トラブルで原発はたびたび停止。ウクライナでは原発が攻撃されたでしょ。環境ＮＧＯは、原発は気候変動対策にならないとたびたび指摘している。

再エネより高い

　はるか　電気料金が上がっているから、原発を動かした方がいいという人もいるけど、原発の電気は、経産省の試算ですら再エネより高い。

　みどり　専門家は、再エネはさらに価格が下がるけど、原発は使用済み核燃料の最終処分などを考えると、ますますコストが高くなるといっている。それを国民や将来世代が負担することになっているんだって。

　はるか　気候変動対策には省エネと再エネを増やすことが一番。その再エネの普及を抑えているのが原発。原発回帰をやめさせないと日本と地球の将来が大変だと思う。

（「しんぶん赤旗」2023年3月11日より転載）