【北京=小林拓也】中国の秦剛外相は7日、北京で記者会見し、日本政府が進める東京電力福島第1原発から発生する放射能汚染水の処理水を海洋放出する計画について「日本だけの問題ではなく、海洋環境や人類の健康に関わる大問題だ。日本側は責任ある方法で問題を処理してほしい」と訴えました。
また秦氏は日本政府に対し、中国への侵略の歴史を「忘れてはならない。忘れることは約束違反であり、罪の責任を否定することは再び罪を犯すということだ」と指摘。「日本が自分の利益だけを考え、中国を抑止する新冷戦に参加するなら、両国間の古い傷はいえることはなく、新たな痛みが加わるだろう」と強調しました。
秦氏は、日中両国は「協力を強め、サプライチェーン(供給網)の安定を共に守り、世界経済の回復に活力を注入すべきだ」と述べ、日本政府が米国と協調して中国に対する先進技術関連の輸出規制を進めていることを、けん制しました。
(「しんぶん赤旗」2023年3月8日より転載)