北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査で原子力規制委員会は3月3日、敷地内の10本の断層が「活断層ではない」とする北陸電の主張について「妥当な検討がなされている」と判断しました。
同原発では2016年、規制委から依頼された専門家検討チームが、1号機原子炉建屋直下や2号機で冷却用海水を取り込む重要配管の下を通る断層について、「活断層の可能性を否定できない」とする評価書を提出していました。
新規制基準は、約12万~13万年前以降に活動した可能性が否定できない断層を活断層と定めています。原子炉建屋などの重要施設を活断層の上に置くことを認めておらず、廃炉の可能性も指摘されていました。
これに対し、北陸電は追加の地質調査を行い、2号機の審査の中で新たなデータを提出。地中の鉱物の生成時期などから、これらの断層が長期間活動しておらず、活断層には当たらないと説明しています。
3日の審査会合で、追加調査などに基づく北陸電の説明に、石渡明委員は「将来活動する可能性のある断層ではないと判断できる証拠がたくさん得られた」と述べました。
北陸電が同原発の審査を申請して8年半以上になります。地震・津波関係では今後、敷地周辺の断層や敷地の地下構造などを審査することになります。
(「しんぶん赤旗」2023年3月4日より転載)