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「気候変動対策にならない」・・GX基本方針 市民団体が共同会見

 政府が10日、原発の「最大限活用」などを盛り込んだ「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定したことに抗議し、原発や気候問題に取り組む市民団体が同日、オンライン共同記者会見を開きました。主催は、原子力市民委員会、原子力資料情報室、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)、原子力規制を監視する市民の会、気候ネットワーク、国際環境NGO「FoE Japan」です。

 会見で、大島堅一・原子力市民委員会座長は、基本方針について「ばらまきと将来へのつけをもたらすものになっている」と指摘。「原発回帰かつ、気候変動対策にもならない」と強調しました。

 武藤類子・ひだんれん共同代表は「極めて深刻な原発事故を体験した国のGX基本方針が、国民の危険をさらに増すような愚かな方針であっていいのか。今日の閣議決定は非常に許しがたい」と述べました。

 浅岡美恵・気候ネットワーク代表は「温暖化対策を柱に据えた政策ではなく、火力と原子力の発電を進める口実として使われている。非常に欺瞞(ぎまん)的と言わざるを得ない」と批判。松久保肇・原子力資料情報室事務局長は「この基本方針について、ほとんど国民の声を聞いていない」と話しました。

 また、阪上武・原子力規制を監視する市民の会代表は原子力規制委員会の石渡明委員が60年超運転を可能にする原子力規制の概要案に反対したことに触れ「非常に根本的な問題が提起されている。一から白紙に戻して検討すべき」と主張。Fridays For Future Tokyoの田原美優氏は、原発の事故や廃棄物、原発労働者の問題を指摘し、「原発を利用する社会は、少なくとも気候変動解決によって作りたいと思っている社会とはかけ離れている」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2023年2月11日より転載)