老朽原発の運転期間を延ばし、新たな原発を建設する「グリーントランスフォーメーション(GX)基本方針」に反対する市民は2月9日、経済産業相と原子力規制委員長に運転期間延長に反対する署名を提出しました。4カ月間で7万5214人分が集まりました。
署名は東京電力福島第1原発事故に触れ、「(事故を起こした)1号炉は運転開始40年の検査に合格したばかりだった」と指摘。「老朽原発を動かすことは極めて大きな危険を伴う」と主張しています。
提出前の集会にはオンラインを含めて200人以上が参加。原発事故被害者団体連絡会の武藤類子さんはオンラインで発言し、「事故は収束していない。被害者が失ったものは膨大で、今も被害者は増え続けている。被害者の声を聞かずにこのような方針転換はあり得ないことだ」と批判しました。
政府がGXの目的を温暖化対策としていることにも批判が上がりました。気候変動対策を求める若者のグループ、フライデーズ・フォー・フューチャー東京の植田亮さん(20)は、2030年からの原発新設を待っていては対策が間に合わないと指摘。「運転期間を延長した老朽原発に事故やトラブルが起きれば火力でまかなうことになり気候正義に反する」と批判しました。
日本共産党の岩渕友参院議員や立憲民主党の議員らが参加しました。
(「しんぶん赤旗」2023年2月10日より転載)