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指定弁護士が上告・・東電強制起訴

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴され、控訴審の東京高裁でも無罪となった東電元会長の勝俣恒久被告(82)ら旧経営陣3人について、検察官役の指定弁護士が24日、判決を不服として最高裁に上告しました。

 他の2人は、原子力部門トップを務めた元副社長武黒一郎(76)、同武藤栄(72)両被告。

 高裁は18日、一審東京地裁が「原発の運転停止措置を講じるべき津波の予見可能性は認められない」とした判断について「不合理な点はない」と支持。巨大津波の試算根拠となった政府機関の津波地震予測「長期評価」の信頼性を認めず、「津波が襲来する現実的な可能性の認識があったとは認められない」として、指定弁護士の控訴を棄却しました。

 指定弁護士は長期評価について「最先端の地震分析を行う機関が公表したもので信頼性を有していた」と主張。「原発運転停止は最終手段に過ぎず、防潮堤や(主要建屋に浸水防止を施す)水密化などを講じれば事故は防げた」としていました。

 勝俣被告ら3人は巨大津波を予見しながら対策を講じず、2011年3月、事故により双葉病院の入院患者ら44人に避難を強いて死亡させるなどしたとして起訴されました。(時事)

(「しんぶん赤旗」2023年1月25日より転載)