原子力規制委員会は12月14日、最長60年とされている現行の原発の運転期間を政府が延長させようとしていることに対応した老朽原発の規制制度の変更について議論しました。
現行制度下で30年を超える原発で審査を通ったものが停止にならないよう、新たな制度が施行される前に一定期間の準備行為を認める方針を確認しました。
規制委は現在、老朽原発に対して運転開始30年以降、10年ごとに劣化状況を踏まえて管理手順などが妥当かを審査しています。また原則の運転期限である40年を超えた運転を申請してきた場合には、規制委は40年目より前に運転期間延長の可否を判断する必要がありました。
規制委は新制度として、事業者が30年以降、10年ごとに長期施設管理方針を定め、規制委の認可を受けるといった制度を検討しています。
準備行為については、新制度施行までの一定の期間中に、あらかじめ「長期施設管理計画」の認可の申請をできるようにし、規制委の審査で新制度と同様の要件を満たすものについて認可。新制度施行日に新制度下での認可とみなすことにしています。
運転開始後30年を超える原発がすでに17基あり、今後、準備行為の期間をどう設定するか検討します。
(「しんぶん赤旗」2022年12月15日より転載)