東京電力福島第1原発事故により全国に避難した被害者の訴訟原告団全国連絡会は24日、与野党の国会議員に岸田政権がねらう原発の新設反対などを要請しました。参院議員会館とオンラインの集会に22原告団の50人が集まり、日本共産党など野党議員が参加しました。
連絡会は訴訟への支援や、福島第1原発で発生する放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水を薄めて海に放出する計画に反対するほか、原子力損害賠償紛争審査会で見直し議論中の賠償基準「中間指針」を被害の実態に合ったものに改め、原発事故被害者全員を救済するよう求めています。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の馬奈木厳太郎弁護士は中間指針の見直しについて、「自主的避難地域やその外側の地域は救済される議論にはなっていない。被害者の中に新たな分断を持ち込んではならない」と指摘しました。
馬奈木氏は岸田文雄政権が打ち出した原発の新設や運転期間の撤廃について、現行のエネルギー基本計画にはなく容認できないと批判。オンラインで福島県から参加した武藤類子さんは「(新設などは)事故の被害者として驚愕(きょうがく)と憤りを抑えられない」と述べました。
日本共産党の岩渕友、紙智子、吉良よし子、仁比聡平各参院議員が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2022年11月25日より転載)