憲法違反である安倍元首相の「国葬」をはじめ憲法も民意も踏みにじる岸田政権に抗議し、政治転換を求める「さようなら戦争 さようなら原発9・19大集会」が9月19日、東京・代々木公園で行われました。時折強い雨が降るなか、1万3000人(主催者発表)が参加。日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の阿部知子衆院議員、社民党の福島瑞穂党首や市民の代表らと一緒に「憲法無視の政治ではなく、憲法を生かした政治へ転換しよう」とアピールしました。集会後にはデモ行進が行われ、共産党の小池晃書記局長も行進しました。(志位委員長のあいさつ2・主催者らのスピーチ3・関連13面)
主催者を代表してあいさつした、総がかり行動実行委員会共同代表の小田川義和さんは「野党や市民の声をまったく聞こうとしない岸田政権に、腹の底からの怒りを突きつけよう」と訴え。国葬や大軍拡など安倍政権以上に憲法と立憲主義を無視した政治を進めていると批判し、「平和と暮らし第一の政治を求める声と運動をさらに強めていこう」と語りました。
政党あいさつで、志位氏は、安保法制について、今夏に米ハワイなどで行われた米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)では「安保法制=集団的自衛権の発動を想定した訓練が歴史上初めて行われた」と告発。「『安保法制』と『敵基地攻撃』が合わさると恐ろしいことになる」と指摘しました。米国が海外のどこかで戦争を始めたら、集団的自衛権を発動し、自衛隊が「敵基地攻撃」能力を使って相手国に攻め込む、その結果、日本に戦火を呼び込むことになるとして、「こんな道は絶対に止めましょう」と訴えました。
志位氏は、各紙世論調査で、安倍晋三元首相の「国葬」反対が60%以上だと示して、道理がないことの証明だと強調するとともに、安倍氏への「弔意」や「敬意」を強制する「国葬」は憲法違反だと強く批判。安保法制を強行し、格差と貧困を広げ、国政私物化の疑惑にまみれ、統一協会の「広告塔」になった人物に対して、「『敬意』の強制は絶対にあってはならない」と強調し、最後まで「国葬」中止の声を広げようと呼びかけました。
参院会派「沖縄の風」の伊波洋一議員のメッセージが紹介されました。
作家の落合恵子さんは、福島第1原発事故にかかわって「原発事故を『アンダーコントロール』していると発言した人の国葬はおことわりします」と強調。原発「新増設」まで表明する今の政治に、「ノーの意思を示そう」と語りました。
弁護士の大住広太さん(改憲問題対策法律家6団体連絡会)は、「国葬」は法的根拠もなく、実施すればさまざまな形で弔意の強制が行われる危険があると指摘し、「反対の声を強めていきましょう」と述べました。
千葉県佐倉市から参加した野崎泰夫さん(69)は、憲法違反の「国葬」に怒り、「何でも閣議で決めるのは、まさに安倍元首相のやり方です。そうした政治は許しません」と話しました。
「9・19大集会」の主催は、総がかり行動実行委と、さようなら原発・1000万人市民アクション実行委員会です。
(「しんぶん赤旗」2022年9月20日より転載)