地元 厳しく抗議 福井
関西電力が8月30日、運転開始から45年を経た老朽原発である美浜3号機(福井県美浜町)の再稼働を強行しました。オール福井反原発連絡会は福井市の県庁前や美浜町にある関電の原子力事業本部と美浜発電所の前で、「老朽原発動かすな」と抗議の声を上げました。
美浜3号機は2004年に11人が死傷する2次系配管破裂事故を起こし、福島原発事故が発生した11年以降は10年間停止状態となり、昨年6月、4カ月間運転して再び停止していました。今月には事故・トラブルが相次ぎ、「封水注入フィルタ」ふた部分からの放射性物質を含む7トンの水漏れや、1次冷却剤喪失事故時などにホウ酸水を注入する設備の圧力低下が発生しました。
抗議宣伝で、事務局の林広員さんは「検査技術が相当衰えてきていると考えざるを得ない。トラブルが多発している今、定期検査以上の安全総点検が必要」だと訴えました。
日本共産党の佐藤正雄県議は今回の事故・トラブルに対し、「県原子力安全専門委員会で検証していない。第三者による検証を最低限やるべきだ」と厳しく指摘。「11人が死傷した、かつての事故の反省を踏まえていない。もうけ優先の態度は批判されなければならない」と訴えました。
原発推進方針 原自連が批判
元首相の小泉純一郎、細川護煕両氏が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連、吉原毅会長)は30日、岸田文雄首相が打ち出した原発推進方針を批判し、再生エネルギー100%を目指すべきだとする提言を発表しました。
提言は、岸田政権がウクライナ情勢や電力不足などに乗じさらなる原発再稼働や運転期間延長、次世代原発の開発・建設を打ち出したことを「火事場泥棒的な政策転換」だとして撤回を求めました。
日本が原発再稼働や新増設に前のめりになる姿勢を「原発カルト」というほかないと批判。原発は再稼働せず速やかに廃止すべきであるとしています。電力不足には需要ピークを下げるかシフトさせる節電と蓄電池が有効であり、原発再稼動は役に立たないことなどを指摘しています。
(「しんぶん赤旗」2022年8月31日より転載)