岸田文雄首相は8月10日、改造内閣の発足にあたり首相官邸で記者会見し、「有事の内閣を速やかに整えていく」と述べ、年末の予算編成に向けて五つの最重要課題を進めると表明しました。その第一に「防衛力の抜本強化」をあげ、「必要となる防衛力の検討、予算規模の把握、財源の確保を一体的かつ強力に進めていく」と大軍拡を推進する姿勢を示しました。
冬の電力需給ひっ迫を口実に、「原子力の活用を含めて検討を進める」と述べ、原発再稼働の推進を事実上表明しました。
新型コロナウイルスへの1日の感染者としては過去最多の25万人(10日)にのぼる中、首相は「第7波の荒波の中から少しずつ感染者数が減少に転ずる地域が出ている」「ウィズコロナに向けた新たな段階への移行を進める」などと述べただけで、猛威を振るう第7波に対する具体的な対処策は何も語りませんでした。
(「しんぶん赤旗」2022年8月11日より転載)