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ロシア占拠 ウクライナのザポロジエ原発・・「非常に不安定」な状況 IAEA事務局長会見

 【ニューヨーク=石黒みずほ】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は2日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、ロシアに占拠されたウクライナ南東部のザポロジエ原子力発電所について「非常に不安定」な状況だと述べました。2日目を迎えた核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、ロシアによる同発電所の占拠・攻撃について批判する声が上がりました。

 欧州最大の同原子力発電所ではまだウクライナ人の従業員が残っています。IAEAとして査察団の派遣を試みていますが、難航しています。グロッシ氏は、発電所が交戦地にあることで「お互いの理解と協力が必要となるため、とても複雑だ」と述べました。

 再検討会議で発言したポーランドは、ロシアが同発電所を攻撃したことについて「チェルノブイリのような大惨事の影がまた欧州を覆っている」と指摘。ロシアの攻撃的行動は「自身が合意した国際的約束の精神と矛盾している」と述べました。

 ブルガリアは「ロシアの無責任な軍事行動が欧州の何百万人という命を危険にさらしている」とし、「NPTで示された原子力の平和利用の核心的な原則を弱体化させている」と批判しました。

 コスタリカは、ロシアが同発電所を占拠したことで「(施設を)安心安全に利用することや、IAEAが査察を行う取り組みを邪魔している」と主張しました。

(「しんぶん赤旗」2022年8月4日より転載)