原子力規制委員会はこのほど、東京電力福島第1原発の敷地内で放射能汚染水(アルプス処理水など)を保管するタンク群の3カ所の地震計が適切に設置されていないことを明らかにしました。
27日の定例会合で原子力規制庁が報告しました。地震計を、タンクの汚染水の漏えいを防止するための堰(せき)内の基礎に設置せず、堰の外側に横づけするなどしていました。規制庁は、設置場所について工程を優先し、その妥当性を確認していなかったと問題点を挙げました。
会合で規制委の伴信彦委員は「地震計をつけることが目的化し、何のためにつけるのかが欠落している」と東電を批判しました。
タンク群の地震計は、昨年2月に発生した最大震度6強の地震で多数のタンクがずれたことから、東電が設置を明言したもので、規制要求の対象外でした。
規制庁は今後、廃炉を安全・着実に進める上で重要だとして、適切な設計・施工がされるよう保安検査で確認するといいます。
(「しんぶん赤旗」2022年7月31日より転載)