ベルンからの報道によると、スイスのエネルギー会社BKWは30日、首都ベルンの近郊で稼働しているミューレベルク原発を2019年に閉鎖すると発表しました。
BKW社によると、22年に閉鎖することになっていた同原発の閉鎖前倒しは、電力価格の低迷が主な理由ですが、住民の反対運動による国や州の原発稼働制限も「潜在的なリスク」として理由に挙げました。
BKW社は、同原発の冷却水供給の改善など150万スイスフラン(約1億6500万円)の設備投資を計画しています。しかし、19年以降も稼働する場合には、安全性の確保のため、原発の安全管理・検査をするスイス原子力安全検査局から10億スイスフラン以上の設備投資を迫られる可能性があります。
同原発の19年閉鎖について、原発反対運動団体は、「今後6年間稼働させるのはリスクが高すぎる」と批判しました。
ミューレベルク原発は東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉で、1972年に稼働。即時停止を求めるデモがたびたび組織されています。
スイス政府は福島原発事故後の2011年、国内にある5基の原発(うち1基はすでに停止)を耐用年数の切れる2034年までに廃止し、1基の原発も新設しないとする新エネルギー戦略の基本を決定し、議会もこれを承認しています。