東京電力は23日、炉心溶融を起こした福島第1原発1号機で行った、水中ロボットによる原子炉格納容器内部の調査状況について発表しました。原子炉圧力容器を支える土台に当たる「ペデスタル」と呼ばれる構造物の一部で、厚さ1・2メートルのコンクリートが失われて鉄筋がむき出しになっていることが明らかになりました。
東電は、圧力容器を支えることができずに崩壊する可能性も否定できないとして、健全性の評価を進めるとしています。
ペデスタルは、圧力容器を下から支えている円筒状の構造。これまでに撮影された映像でペデスタルの開口部付近に鉄筋らしいものが写っていたことから、建設当時の写真と比較したところ、ペデスタルの鉄筋であることが確認されました。またペデスタル内に設置された円筒形の部材も確認されました。
本来、ペデスタルは厚さ1・2メートルのコンクリートの壁でできていますが、東電は「何らかの原因で、コンクリート部分が損失していると考えている」と説明。高温でコンクリートが失われた可能性がありますが、メカニズムは把握できていないとしています。
鉄筋がむき出しになっているのは、床面から90センチメートル~1メートルの高さまで。それより高い所は、コンクリートが残っているといいます。
また、ペデスタル開口部付近では、棚状の堆積物や、複数のかたまり状の堆積物が確認されました。
堆積物が、溶け落ちて冷え固まった核燃料(デブリ)であるかどうかについて、東電は可能性は否定できないが、現時点では判断できないとしています。
(「しんぶん赤旗」2022年5月24日より転載)