東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む汚染水を海洋放出する政府の計画をめぐり、福島県内外の住民でつくる「これ以上海を汚すな! 市民会議」は27日、資源エネルギー庁の福田光紀・事故収束対応室長との意見交換会を福島県いわき市で行いました。
織田千代共同代表は「汚染水の海洋放出でこれ以上事故の傷を広げないでほしい。踏みとどまって考え直す努力をしてほしい」と撤回を強く求めました。
福田室長は、汚染水・保管タンクが増え続ければ廃棄物の置き場を圧迫するとして、海洋放出が必要だと繰り返し述べました。
市民会議メンバーは、政府が2年後をめどに海洋放出すると一方的に決めたが、メディアの世論調査などを見ても海洋放出決定に対し反対の声が多数で、説明も不十分で理解を得られていないと指摘。「海に流したら取り返しがつかない。まず放出させない最大限の努力を、時間をかけて行うべきだ」「保管を継続し、(放射性物質)トリチウムの減衰や、トリチウム分離技術の実用化などを待つという手段もあるのではないか」と提起しました。
織田共同代表は「決定撤回こそもっとも『風評被害』を抑えることになる」と重ねて撤回を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年11月28日より転載)