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原発事故 すべての人救済を 4訴訟 最高裁勝利誓う・・原告・弁護団が会見

 東京電力福島第1原発事故をめぐり国と東電に住民らが損害賠償などを求めた集団訴訟で最高裁に上告した「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)、群馬訴訟、千葉訴訟、愛媛訴訟の四つの原告・弁護団らは16日、国会内で記者会見を開き、最高裁判決に向けた決意を表明しました。

最高裁判決に向けて決意を語る原告ら=16日、参院議員会館

 弁護団は、高裁判決が再来年まで予定されず、最高裁は四つの訴訟をまとめて判断すると見込んでいます。

 会見で、昨年9月に仙台高裁で国の責任を認めた判決が出た生業訴訟の中島孝原告団長(65)は、事故にまったく向き合わない国の態度が「われわれの苦しみ、次の困難をますます悪くする」と述べ、そこを変える役割も担って「最高裁判決を勝ち取りたい」と述べました。

 東京高裁が国の責任を否定した群馬訴訟の原告・丹治杉江さん(65)は高裁判決について「同じ苦しみを味わっているのに。こんなに不当なことはありません」と語り、「最高裁で国の責任を認めさせ、被害を受けた、すべての人の全面救済を求めていきたい」と、支援を訴えました。

 東京高裁が国の責任を認めた千葉訴訟の原告と家族の会共同代表の瀬尾誠さん(69)は「世論をどれだけ高めるかだ」と述べ、福島第1原発の原子力緊急事態宣言が解除されないことなどを挙げ、国民の関心をどう高めるかの毎日だと語りました。

 高松高裁で9月に国の責任を認めた判決が出た愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん(42)は、一緒に避難した子どもたちが「2011年の生の記憶がない世代に変わった」のに、「多くの人を苦しめた原発事故の原因の所在が明らかにされていない」と述べ、「子どもたちを失望させないためにも最高裁でよい判断を得たい」と述べました。

 会見では、国の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針を踏まえた賠償は払い過ぎているなどとする東電の主張の問題点が説明されました。会見に先立ち、原告らは最高裁に公正な判決を求めて要請行動を行いました。

(「しんぶん赤旗」2021年11月17日より転載)