原子力規制庁の職員に発行され検査で原発に立ち入る際に携帯が義務付けられている身分を証明する検査官証などを10人の職員が延べ11枚紛失したと10月27日の原子力規制委員会の定例会で報告されました。
紛失したのは、規制庁の検査官が原発などへの日常的な規制検査で必要な検査官証2枚と、必要な場合に規制委が職員に命じて行われる立ち入り検査で必要な立ち入り検査証1枚。いずれも原子炉等規制法で、検査で施設に立ち入る際に携帯が義務付けられており、関係者に求められた場合には提示しなくてはならないとされています。
これとは別に、核物質防護に関する秘密を取り扱う職務を行う際、内規で携帯することになっている信頼性確認済み証8枚です。
規制庁によると、8月に2枚の身分証明証の紛失が報告されるなどしたために、今月に入って規制庁職員に発行されている身分証明証11種類延べ993枚を対象に全庁的な調査を実施しました。
規制庁は、紛失した身分証は日常的な活動でなくても困らなかったことから、紛失にすぐには気づかなかったようだと説明しています。
原発などに検査立ち入る際は事業者が発行した通行証を利用しており、また通行証の発行は運転免許証などで本人確認が行われていたといいます。
また規制庁は、複数の検査事務所で検査官証を携帯せずに事務所などに保管したまま検査に出向いていた検査官がいたと発表しました。
(「しんぶん赤旗」2021年10月28日より転載)