東京電力福島第1原発事故で、福島県から神奈川県内に避難した被災者が国と東電に損害賠償を求める「福島原発かながわ訴訟」第2陣として、5世帯16人が9月3日、横浜地裁に提訴しました。
提訴後の記者会見で原告の女性は「子どもといっしょに避難して10年たった。日々周りの目を気にしながら生活していて、区切りなどとは思えない」「子どもたちはふるさとや地元の絆を奪われた。福島の祖父母は『いつ帰ってくるの』と言うが、帰れる状況ではない」と訴えました。
弁護団が別の原告2人の思いを代読。原告Aさんは「一時避難後に福島の職場に戻ったときには『逃げてたくせに』と言われ、避難先のイベントでは『放射能チーム』に分けられるなど、戻るのも地獄、避難するのも地獄だった」と訴え。
原告Bさんは「声が上げられずに今でもつらい気持ちを抱えている全員が救済されてほしいという思いから訴訟に参加する決心をした」と述べました。
同訴訟の原告弁護団事務局長の黒澤知弘弁護士は「国や東電は原発事故を風化させようとしているが、10年たっても被害は続いている。被害の実相に目を向けてもらうために、今回新たに立ち上がった」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2021年9月4日より転載)