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「ようやく立ち直ってきたのに…」 汚染水放出方針に怒り・・岩手沿岸部市町村 高橋議員が関係者と懇談

平野町長(右から2人目)と懇談する高橋氏(その左)ら=29日、岩手県大槌町

 菅政権が国民の声を無視し、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」との約束もほごにして「決定」した原発汚染水の海洋放出方針をめぐり、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は29日、岩手県沿岸部の田野畑村、岩泉町、宮古市、大槌町を訪れ、首長・漁業者らと懇談しました。

 大槌町の平野公三町長は「直接影響する。『人ごとではない』という認識は同じです」と発言。政府に説明を求めたいとし、高橋氏の国会論戦議事録を「読ませていただきます」と受け取りました。

 岩泉町・小本浜漁協の三田地和彦組合長は「海洋放出することには反対」と表明。高橋氏は、周辺で反対の声が上がり、「福島だけの問題ではなく復興全体に関わる。政府を包囲するたたかいが必要です」と強調しました。

 海に流しても汚染水タンクがなくなるのに最短40年かかり、急いで放出決定する必要もないことを、高橋氏が指摘。田野畑村漁協の有谷利彦参事は「おっしゃったように、可能なら時間をかけ(処分方法の)検証を進めてほしい」と求めました。同漁協では、津波被害で4億円近い欠損金が生じ、不漁続きで解消できていないと苦境を明かしました。

 宮古市のカキ養殖業者は「船も何もかも失ったところから10年、ようやく立ち直ってきた」「風評被害が起きてからでは遅い」と不安を訴えました。

(「しんぶん赤旗」2021年7月30日より転載)