原子力規制委員会は11月11日、毎日新聞社の報道が事実に反するとして、田中俊一委員長らによる記者会見に同社記者が出席することを拒否すると明らかにしました。規制委の事務局である原子力規制庁の森本英香次長は12日の会見で、会見拒否は「田中委員長の了解も得て実施している」と述べました。記者からは「会見は公に開かれるべき。締め出しは容認できない」との意見が相次ぎました。
毎日新聞は10日付朝刊の1面で、「規制委員長 住民聴取拒む」の見出しで報道。東京電力福島第1原発事故で避難した住民の帰還対策を議論する規制委の検討会で決まった地元住民の聞き取り調査について、田中委員長が拒否し、代わりに地元自治体の首長から話を聞くよう指示したなどとする内容を掲載しました。
規制庁は11日、「訂正記事を出すまで、取材協力はしない」と述べ、同日開かれた検討会終了後の記者説明の場でも、毎日新聞記者を退席させました。また、同日付のホームページ上で報道内容を「事実誤認である」と否定しています。