菅政権が東京電力福島第１原発事故の汚染水の海洋放出方針を決定した問題で、福島県内外の市民でつくる「これ以上海を汚すな！　市民会議」は２６日、経済産業省資源エネルギー庁との意見交換会を同県いわき市で開きました。

　市民会議メンバーは、関係者、国民の理解や合意のない汚染水の海洋放出方針を撤回すべきだとして、梶山弘志経産相宛ての要望をエネ庁事故対応収束室の奥田修司室長に手渡しました。

　あいさつした市民会議の佐藤和良共同代表は「ふるさとの海を守る運動を継続していく」と表明しました。

　質疑で市民は、全漁連が「わが国漁業者の総意として、絶対反対である」と訴え、福島県内の多くの自治体が反対・慎重の声を上げていると強調。政府・東電が関係者の理解なしにいかなる処分も行わないとの約束をほごにし、「原発事故の二次被害」を生み出すことになると指摘しました。

　奥田室長は「反対している人がたくさんいる。これから理解を得る努力をする」と発言。「政府が約束をほごにしたという認識はない」と述べたため、市民側は、理解も得ないで方針決定して強引に進めようとしていると厳しく批判しました。

（「しんぶん赤旗」2021年6月28日より転載）