関西電力は5月12日、運転開始から40年を超えた福井県内の老朽原発3基のうち、美浜原発3号機(同県美浜町)を6月下旬に再稼働させると発表しました。40年超の原発が再稼働するのは東京電力福島第1原発事故後では国内初めて。関電は20日から核燃料の装荷を開始するとしています。
美浜原発は福島第1原発事故後の2011年5月14日から定期検査で停止し10年になります。
関電によると、7月下旬には営業運転に入る予定ですが、新規制基準で設置が義務づけられているテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)が完成しておらず、設置期限の10月25日までに、原子炉の温度が100度以下の冷温停止状態にする方針です。そのため、再稼働から約4カ月で再び停止します。関電は、施設の完成時期は未定としています。
一方、同じく40年超の高浜原発1、2号機(同県高浜町)のうち、1号機は14日から核燃料の装荷を開始しますが、テロ対策施設が設置期限の6月9日までに完成しないため、装荷しても再稼働しないとしました。2号機は、同施設と安全対策工事が遅れており、工事完了時期を未定としています。
40年超の3基の老朽原発について杉本達治知事は4月、再稼働に同意を表明しています。
(「しんぶん赤旗」2021年5月13日より転載)