衆院原子力問題調査特別委員会は27日、専門的知見から助言をえるための「アドバイザリー・ボード」(会長=黒川清・元東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員長)に対する質疑を行いました。
日本共産党の藤野保史衆院議員は、経産省、資源エネルギー庁の幹部が19年4月から今年2月26日までに、福井県に110回もの出張を繰り返したことを指摘。運転開始から40年を超えている関西電力美浜原発3号機、同高浜原発1、2号機(いずれも福井県)の再稼働のための地ならしを政府が始動させたと強調しました。
鈴木達治郎・長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長は「事故前とあまり変わっていない。(原発立地自治体への)交付金制度を国会として考えていただきたい」と述べました。
藤野氏はさらに、昨年7月に原子力規制委員会が電力会社や原発メーカーなどで構成された原子力エネルギー協議会(ATENA=アテナ)の求めに応じて発表した「見解」について批判。この見解は、原則40年、1回限り延長すれば最長60年と定めている原発の運転期間に関するものです。藤野氏は、この見解で規制委が、運転期間の40年を「評価を行うタイミング」などとしていると指摘しました。
橘川武郎・国際大学副学長は「福島第1原発1号機が爆発したのがあの事故の最大の問題だったが、40歳の誕生月に爆発した。そういう状況を考えれば、こういう規制が入ったのは当然だ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2021年4月28日より転載)