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汚染水海洋放出決定 怒りの声 生きる場 汚すのか・・漁師が永遠に使う海だ 福島・新地町の漁師 小野春雄さん

シラウオ漁で使う網の手入れをする小野春雄さん=10日、福島県新地町

 政府が13日、東京電力福島第1原発で発生する放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水(アルプス処理水)の海洋放出方針を決定したことに対し、抗議や撤回を求める声が上がっています。

 勝手な政府の決定に、はらわたが煮えくり返る思いです。コロナで苦しんでいるところに汚染水が重なり、耐えられない。

 菅首相の会見を見たが、作文を読んでいるだけで漁民への思いは感じられなかった。所信表明演説で言った「国民に寄り添う」という姿勢もない。今も福島の魚が隣県より2~5割安い理由を考えてほしい。

 政府は漁民の理解を得ず海洋放出はしないと約束していたのに、実際はコロナ禍の去年に小規模な説明会をやっただけ。何の説明も議論もされていない。

 15歳で船に乗って54年間漁師をやっていて、福島の海は私たちの仕事場であり生きる場です。これからも永遠に使い続ける海です。それを汚して、お金で補償するからいいとはならない。

 原発事故から10年、われわれがどんな思いで苦労して苦労して魚を取り続けているのか、何も理解せず「福島の復興のため」なんて軽々しく言ってほしくない。

(「しんぶん赤旗」2021年4月14日より転載)